定義は
で、例えば1時間あたりの故障が10億分の1個で故障率が1FIT
すなわち、一年間(8,760時間)に114.2k個に1個が故障する確率ということになる。
半導体だと10~100FIT程なので、実際にFITのテストをするために10k個以上の半導体を1年間動作させ続ける試験をするのは非現実的だ。
実際には少数量でのテストにより統計的にFIT上限を算出する。
表1 MIL-STD-690D*1 TableⅠ FRSP-60
例えばサンプル77個1,000時間のテストで、故障がゼロの時の推定故障率は
表1より信頼度60%とすると累積故障係数が0.916なので
表1より信頼度60%とすると累積故障係数が0.916なので
さらにFIT算出の分解能を上げるためアレニウス則を利用し、高温雰囲気にて加速試験を行う方法がある。
「サンプル77個1,000時間のテストで故障ゼロ」が150℃ともっと高温雰囲気でおこなった加速試験の結果だったとして、実際の使用温度を55℃とするとアレニウス則から
k:ボルツマン係数[eV/K]
Ea:活性化エネルギー[eV]
T1:使用温度[K]
T2:試験温度[K]
からEa=1eVとして加速係数を算出すると2823となり、
11.9k/2823でFITは4.2と推定されます。
たまたま見つけた超詳しい解説ページ
「エンジニアのための実用統計学と信頼性解析」ページから
信頼性解析(理論編)
http://takeshi-nakamura.com/reliability%20analysis_theory.html
テキサス・インスツルメンツWEBで1/加速係数算出してくれるページ
http://www.tij.co.jp/ja-jp/support-quality/reliability/temperature-change-FIT.html
(Office2016のWORDの数式入力を使ってみたくてこの記事を書きました。)
*1 MIL-STD-690D 故障率サンプリング計画と手順(2005年6月10日)。適切な軍事用電子部品の信頼性(ER)仕様を直接参照するためのFRテストに関連する適合検査手順。この規格全体の図と表は、指数分布に基づいています。コンデンサなどの特定のコンポーネントでは、ワイブル分布が許容されます。コンポーネントに対するワイブル分布の使用は、資格のある活動によって承認される必要があります。